国土交通省から全国の鉄道会社に対して「開かずの踏切」や「事故が多発している踏切」の改善要求が出されました。東京都内で指摘があったのは全部で27箇所で、そのうち25箇所が京王線です。
今後、全国の「開かずの踏切」※など自動車交通の支障となっている踏切道、歩道が狭隘な踏切道及び保安設備が十分でなく事故防止対策の必要性が高い踏切道等について、引き続き指定に向けた準備作業を行って参ります。
報道発表資料:改正踏切道改良促進法に基づき、改良すべき踏切道について国土交通大臣の指定を行いました。 - 国土交通省
国土交通省発行の「踏切道改良促進法に基づく法指定箇所一覧」より仙川周辺の踏切をピックアップしました。
踏切道 | 位置 |
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芦花公園1号 | 東京都世田谷区 |
芦花公園3号 | 東京都世田谷区 |
芦花公園4号 | 東京都世田谷区(千歳烏山駅横近くの松の湯跡地の目の前にある踏切) |
芦花公園5号 | 東京都世田谷区(千歳烏山駅横の踏切) |
千歳烏山2号 | 東京都世田谷区 |
千歳烏山3号 | 東京都世田谷区 |
千歳烏山4号 | 東京都世田谷区(吉祥寺通りに通じる道、宍戸農園横の踏切) |
千歳烏山5号 | 東京都世田谷区(旧甲州街道へ繋がる給田・六所神社の前の道) |
この一覧を見ていると気付くのですが、仙川駅以西には指摘を受けた踏切は存在しません。
仙川駅からつつじヶ丘駅にかけては昭和2年に掘削したおかげで急勾配の国分寺崖線の影響を受けずに走られるようになっています。仙川は国分寺崖線のちょうど高台にあたり、つつじヶ丘方面との交通では上り下りする必要があります。
昭和2年以前は掘削する技術がなく、京王電鉄(当時京王電気軌道)はつつじヶ丘(当時金子)方面へ迂回する形で甲州街道と併走する形で施設されていました。金子駅から柴崎駅に向う途中で甲州街道を越えて調布駅に向かっていました。
甲州街道の交通量の増加によって、京王線の電車との交通事故が多発したため、昭和2年に電車が上り下りできるように掘削して現在の線路の位置に移動します。
そのおかげもあり現在仙川駅は地面よりも低い位置に存在しています(駅舎は地面と同じ高さにあります)ため線路を渡る部分には橋がかけられています。仙川で住んでいると踏切を意識することがありません。